2015-06

松濱軒菖蒲の茶会

毎年6月第1日曜は、八代松濱軒で菖蒲の茶会が執り行われます。DSC_0148_01

八代と言えば、肥後古流の祖である三斎公のお膝元。八代で肥後古流の伝統を伝えておられる松華会の主催で、松濱軒の肥後菖蒲が見ごろのこの時期に開催されます。今年の茶会は6月7日、白水会は本席を担当させていただきました。お点前の方、勝手を勤めていただいた方、お疲れさまでした。

花も美しいのですが、何と言ってもこの茶会の魅力は、松井文庫所蔵のお宝を間近に拝見できることです。今回、本席の掛物は、細川幽斎公御筆、烏丸光広卿添書の伊勢物語断簡でした。烏丸光広卿は江戸時代初期の公卿で、歌人、能書家としても知られた人物です。自由闊達な性格で、女性スキャンダルで一度は後陽成天皇の勅勘を蒙り、官を止められて蟄居を命じられた後、復権を果たし正二位権大納言まで上り詰めたなど逸話豊富、多才多芸な宮廷文化人でした。DSC_0152_01

光広卿は、慶長5年(1600年)に幽斎公が田辺城で籠城した時に、天皇の勅使として三条西実条、中院通勝と共に田辺城の東西両軍に講和の勅命を伝え、結果的に幽斎公の命を救う働きを行った人物で、その後慶長8年(1603年)に幽斎公から古今伝授を受けて二条派歌学を究め、歌道の復興に力を注ぎました。このような背景を踏まえると、今回の掛物は幽斎公の流麗な筆もさることながら、因縁浅からぬお二方の筆が一紙に書かれていることで極めて貴重なものと言えます。普通だったら、美術館のガラスケースの中でしか拝見できないものです。

DSC_0154_01その他の道具の取合せもさすがと言うものばかりで、まことにもってありがたいお茶会です。

 

2015-06-09 | Posted in 宗家BLOGNo Comments »