2016-03

明治村茶会

愛知県にある明治時代の建造物を集めた「博物館 明治村」で開催された第50回明治村茶会に参加いたしました。濃茶席一席と薄茶席二席のお茶会で、記念すべき50回目の濃茶席の席主は表千家不審庵、つまり表千家のお家元が勤められました。薄茶席の一つは表千家同門会静岡県支部長で鈴与株式会社代表取締役会長の鈴木与平様が席主、もう一つの薄茶席は陶芸家が自作の茶器を用いて席主を勤めるという趣向で、今年の席主は細川護光さんでした。

護光さんの席が設けられるのは、なんと聖ヨハネ教会堂の中とのこと。肥後古流に立礼の作法はありませんが、教会堂での設えに合わせて椅子に腰かけてお点前をすることとし、護光さんも使用する茶器の制作などで大変お忙しい中、熱心に稽古に励まれました。

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正面の祭壇に細川ガラシャ夫人像が飾られた礼拝堂のお茶席は、大変に荘厳な雰囲気で、心地よい緊張感に包まれた空間でした。

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熊本の泰勝寺跡から明治村まで、はるばるとお出ましになったガラシャ様は、まるでこの教会で何十年も祈りを捧げておられたかのようでした。和蝋燭の暖かい光が照らすそのお姿は、「恩寵(神の恵み)」を表すお名前そのものです。

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護光さんは今回の茶席が教会の中ということを意識されて、「十字架」をモチーフとした道具を作成されました。主茶碗は割り高台の井戸茶碗。見事な梅花皮(かいらぎ)をまとった高台は、正に十字架の意匠です。信楽で作られた建水と火入にも十字の火ダスキが入り、菓子器の形も十字架のイメージ。更には借りてこられた筒形の九輪釜も鐶付の部分が横から見ても上から見ても十字に見えるという拘りようで、大胆な着想とセンス、作品の完成度の高さに称賛の声が上がっていました。

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今回は、濃茶席の席主を表千家の家元が勤められるということで、表千家の皆様はじめとして2日間で1000名を大きく超えるお客様が席入りされ、1回平均40名ほどの席を十数回行うという大変タフなスケジュールでした。道具拝見を済ませたお客様が退出されると、直ちに次の席の準備に取り掛かります。風呂の中の炭は十分火力を保っているかを確認、釜のお湯や水指の水を補充し、道具の飾りつけなどを行いますが、どうかすると飾り付けが完了する前に次の席のお客様が入ってこられるほどのあわただしさでした。聞けば、待合にはピークで100名を超える方がお待ちになっていたということで、表千家の大寄せ茶会の大変さを知り、いい勉強になりました。

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茶会は18日19日の二日間でしたが、私は19日のみのお手伝い。3回目の席に護光さんのいとこである表千家の若宗匠が入られ、その後お二人で他の席を回られましたので、護光さん不在の間は私がお点前を勤めました。正座ではないので足は楽なものの、腰かけての点前は道具の高さが日頃の感覚と違いますし、なにより慣れていないこともあってなかなかに大変でした。息つく暇もなく続けて5回の席を勤めましたが、もちろんこれまでにこのような経験はなく、集中力の限界でした。幸い護光さんが帰ってこられましたので、その後は交代で亭主と半東を勤め、何とか無事に終了することができました。

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今回、護光さんと私の点前は肥後古流の作法で行いましたが、ほとんどの方が初めて見るということで、点前の途中や終わった後にたくさんのご質問を頂きました。一番多かったのは、挨拶するときに鶴の羽で作った坐箒を手に持っていることの意味についてでした。茶席において掃除を徹底して行うことはもちろんですが、例えば、迎え付けの後、新しく蜘蛛の糸が張られているのを見つけたなどの万が一の不測の事態に備えるため、武家作法として常に油断なく備えを怠らないためと、お答えしました。

今回の茶会、お点前は肥後古流で行いましたが水屋のお手伝いは地元名古屋や熊本から駆けつけた方も含め多くの表千家の皆様にお手伝い頂きました。元をたどれば利休居士に行きつくとは言え、作法や道具などにも似て異なる点が多々ありますので、何かとお気遣いいただいたことと思います。この場を借りて厚くお礼申し上げます。有難うございました。

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2016-03-21 | Posted in 宗家BLOGNo Comments » 

 

異文化経営学会にて講演致しました

東海大学経営学部教授の小野豊和先生が九州部会長を勤めておられる「異文化経営学会」の第三回研究会にて、「熊本における茶の湯の歴史と海外との交流事業」と言う演題で講演させていただきました。

大学の先輩である小野先生から半年ほど前に「来年3月に異文化交流に関する研究会があるので、熊本の茶の湯について話してくれないか」と言うお話をいただき、「かしこまりました」とお受けしていたものです。

これまでも市民講座などの機会に肥後古流に関する講演を行ってきた経験もありましたので、軽い気持ちでお引き受けしたのですが、後日メールで頂いた要項を拝見すると異文化経営”学会”の”研究発表会”の”招聘講演”と言う、全然軽くないステージであることに気づきました。文化交流について研究されている先生方を前に講演するなど、おこがましいにもほどがある・・・(;´・ω・) さはさりながら、一旦お引き受けした以上、ご迷惑をかけてはなりませんので、腹をくくってお話させていただきました。

研究会は、異文化経営学会の会長 桜美林大学教授 馬越恵美子先生の挨拶で始まりました。P1070261

その後3名の先生方が研究成果を発表された後、いよいよ私の出番の時。

茶の湯の文化そのものが、中国からもたらされた喫茶の習慣を日本古来の文化や美意識と融合させ、和風文化の集大成と言って差し支えない茶の湯の道に昇華していったのではないかと言うお話をさせていただきました。P1070262

その後は、熊本に伝承する肥後古流の由来の解説、国内外の文化交流の事例の紹介などで約1時間の講演をとりあえずは、無事に終わらせることができました。あぁぁ~緊張した(*_*;P1070267

社交辞令が十分に含まれていることを承知の上「面白い話だった」と感想をいただきましたことに、ほっとしました。

記念品として異文化経営学会特製のボールペンをいただきました。ありがとうございました。P1070277

 

 

2016-03-13 | Posted in 宗家BLOGNo Comments »