2016-12

「仰松軒」復旧促進を熊本市長にお願いしました

熊本市黒髪の立田自然公園(泰勝寺跡)にある茶室「仰松軒」は、利休七哲の一人である武将茶人細川三斎(近世細川家二代・忠興)公ゆかりの茶室で、熊本の茶道文化のシンボルです。京都嵐山の天龍寺塔頭にあった三斎公好みの茶室を写した「仰松軒」は、熊本で茶の湯を嗜む者にとってはまさに聖地。ousyou

しかしながら先の熊本地震でこの聖地も損傷し、現在使用できない状態となっています。茶会の運営に影響があることもさりながら、修復されないまま月日が経つにつれて損傷度合いが深刻化していることが大きな問題です。

DSC_0089震災直後の4月20日にはこの程度の傷み具合だった塵穴先の土壁が、余震や雨の影響で11月には完全に崩落していました。

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このまま放置すれば、茶室が朽ちていくことは容易に想像できます。熊本地震では多くのインフラ等が被災し、熊本市としても市民生活を立て直すために多くの課題を抱えられていることは重々認識しておりますが、熊本の茶道文化を守り育てていくためには一刻も早く「仰松軒」の復活が必要不可欠と考え、本日修復資金に充当していただくための寄付金を携え、大西一史熊本市長に早期の修復をお願いしてきました。DSCN0071

熊本県芸術文化祭参加合同茶会実行委員会が中心となって、熊本の表千家、裏千家、肥後古流三派に呼びかけて「仰松軒」修復のための寄付金を募ったところ、160万円を超えるご賛同がありました。熊本市の文化振興課に対して寄付の申し出を行ったところ、年末の大変お忙しい時期にもかかわらず大西市長にお時間を割いていただき、各流派代表の方々と共に「仰松軒」早期修復についてのご要望を直接申し上げることができました。大西市長はもともと文化振興には大変ご理解がある方ですので、我々のお願いに対して真摯に耳を傾けていただき、熊本市としてもできるだけの対応を行うとのお言葉をいただきました。ありがたいことです。

未曽有の大地震から8ヶ月。復旧復興は緒に就いたばかりではありますが、市長との面談を終え熊本市役所の前に出ると倒壊した長塀の前に復旧工事のための足場が組まれていました。熊本城内の石垣も徐々に崩落した石の除去、整理が行われています。起きてしまった地震の被害をなかったことにはできません。時間はかかるでしょうが、我々一人一人が一歩一歩前に進んでいかなければと改めて感じた一日でした。DSCN0074

2016-12-21 | Posted in 宗家BLOGNo Comments »