宗家BLOG

復旧・復興

熊本地震から15か月、被災した文化財の復旧・復興の状況です。

まずは熊本城。手前に見える江戸時代からの遺構「宇土櫓」がとりあえず無事だったことは喜ばしい限りです。とは言え、続櫓や頬当御門あたりの石垣修復には時間がかかりそう。DSCN0944

一の天守(大天守)、二の天守(小天守)の復旧工事が始まり、思いの外損傷が大きかった一の天守の最上階部分は一旦解体されています。DSCN0942高さが二の天守と同じくらいになってしまい、痛々しい姿にも見えますが、震災前の雄姿を取り戻すためのプロセスととらえましょう。高く跳び上がるためには、一度身を縮めて力を蓄えることが必要ですから。

阿蘇神社は倒壊した拝殿の撤去が終わり、楼門の解体が進んでいます。DSC_0328楼門や神殿は国指定の重要文化財ですので、修復は簡単ではありません。DSC_0333特に倒壊した楼門については慎重に解体し、使える部材を須く使用して元通りに復元するという大変な工程を踏まえる必要があるため、数年はかかる見込みと言うことです。

山都町の通潤橋も修復に向けた工事が始まっています。DSC_0014地震で傷んだ石管を修復するため、橋の土が取り除かれ通水石管が露出しています。DSC_0005滅多に見ることができない景色ですので、機会があれば是非訪れてみてください。

通潤橋の下を流れる川が流れ落ちる五老ヶ滝は、熊本を代表する名瀑の一つ。DSC_0021地震の影響で遊歩道が立入禁止となっていましたが、現在は滝の前にかかっている吊り橋までは行けるようになりました。落差50mの勇壮な滝は一見の価値ありです。

 

2017-07-17 | Posted in 宗家BLOGNo Comments » 

 

出水神社総代会

本日、出水神社の総代会に出席いたしました。

水前寺成趣園内に鎮座する出水神社は、細川幽斎公、三斎公、忠利公、重賢公をはじめとした歴代の細川家のお殿様を祀る神社。西南戦争で焼け野原となった熊本の復興を祈願して明治11年に建立されました。申すまでもなく細川家に茶の湯で仕えた小堀家にとっては、縁が深く、春秋の例大祭では武田家と交代で献茶式をお勤めしますし、個人的には毎年初詣に伺っています。

昨年の熊本地震では、古今伝授之間や拝殿などには大きな被害はなかったものの、三つの鳥居が崩れ、成趣園の象徴である池の水が一時干上がるなど、大変に心配な事態も発生しました。幸いなことに池の水はほどなく元に戻り、DSCN0836

被災した能楽堂などの施設の修復も進んでいるとの報告がありました。今後は、肥後六花や紫陽花など季節の花々を楽しめるようにする、夏目漱石の歌碑を設置するなど、園内の整備を進めていく方針です。

また、再建する鳥居は木製とし、すでに西原村にある神社の保有林から材は切り出してあります。十分に乾燥させるために時間がかかるということで、鳥居が戻るまでには数年かかりそうですが、地震で大きな被害を受けた西原村から切り出された材が、鳥居になって参拝される方を迎えるという構図は、西南戦争からの復興を祈願したという出水神社の縁起にかなうものです。再建される日を楽しみに待ちたいと思います。DSCN0835

2017-06-30 | Posted in 宗家BLOGNo Comments » 

 

平成29年八代松浜軒菖蒲の茶会

毎年6月の第1日曜日は、八代の松浜軒で菖蒲の茶会が執り行われます。

6月4日の日曜日、思わず「五月晴れ」と言ってしまいそうな晴天の中、見ごろを迎えた松浜軒の肥後花菖蒲を愛でながら、美味しいお茶を頂いてきました。DSC_0013

このお茶会、松井文庫所蔵の逸品が飾られる床の設えの素晴らしさは群を抜いています。今年の本席の掛物は修学院離宮を造営し、詩歌に優れていたことでも知られている後水尾天皇御筆の和歌、花入れは利休作!普通でしたら美術館のガラスケース越しにしか拝見できないような名品です。DSC_0031かつては、茶碗や茶入なども松井文所所蔵の文化財級の名品を使っていたとのことですが、現在は床飾り以外のものについては、使用は遠慮されているようです。それは確かにそうでしょうと思います。仮に私が三斎公への献茶式に永青文庫の珠光天目を使ってよいぞと言われたとしても、「謹んでご遠慮申し上げます<(_ _)>」。そんな恐ろしいことはできません。

とは言え、お道具の飾りつけも見事でした。DSC_0035

我が白水会は、「副席」と通称される「林鹿庵」での濃茶席を3席勤めました。DSC_0024この茶室は、点前を見ながら窓越しに池の花菖蒲も鑑賞できる、客にとっては非常にありがたい席です。DSC_0080一方、茶室の構造上、道具の配置や所作の大半が左右逆転する「逆勝手」になっていますので、亭主は大変です。通常、自分の右側に座っているお客さんが左側にいるだけでも相当な違和感があります。DSC_0052ここ1ヶ月ほど、亭主に予定されていた人はもとより、多くの門人方は「逆勝手」の手前の稽古に取り組んできました。その甲斐あって無事に茶席を勤めあげることができました。お点前の方、水屋の方、お疲れ様でした。

2017-06-05 | Posted in 宗家BLOGNo Comments »